「絵を見る技術」


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絵を見るのに、「特別な技術は要らない、自分の感覚で
好きなように見れば良い」という考えもそれはそれで良
いと思います。

がしかし、この本で紹介されているいくつかの「絵を見
る技術」を知れば、私達の絵を見る楽しさが今までより
も より一層豊かなものになるでしょう。

また、絵を見るだけでなく絵を描く場合にも、この本で
紹介されている「技術」が大変参考になります。

美術史研究家である著者は、「絵を見る技術」について
時に”そんなに深読みするの”と感じるくらい詳細に語っ
ていますが、このブログでは、ほんの サワリだけ紹介し
たいと思います

絵の主役はどこか?ーフォーカルポイント
大勢の人物が描かれている絵などで、主役や準主役をみ
つける方法は、いろいろありますが、明暗差(主役が最
も明暗差が大きく描かれている)や位置(中央に配置されて
いる)などは私達にも比較的 分かりやすいですが、主役
を指し示す“リーディングライン”なる ものがあることは
なかなか気がつきにくいと思われます。 絵の中に描かれ
た小道具や建物や床のライン、人物の流れなど によって
作られるラインを見つけると、絵のどの部分がフォーカ
ルポイントが分かるようです。

名画が人の目をとらえてはなさいのはなぜかー経路の探し方
リーディングラインは主役を指し示すだけでなく、その
絵の全体の 経路を示す役割があります。
真っ白なキャンバスを見る時、一番惹きつけられのは
真ん中で 二番目は4つの角だそうですが、この角を避け
周回型にリーディング ラインをとる経路、ジグザグ
S字状などの経路などについても
著者はいろいろな名画の実例をあげて説明してくれて
います。
なお、この“経路”は“視線誘導”ということばに置き換え
ることもできます。

バランスがいいとはーバランスの見方
絵のバランスをみる一つの方法が、タテ、ヨコ、ナナメ
あるいは 曲線などの“構造線”です。
バランスがとれていることが、名画の条件とも言われま
すが、一方で、 左右対称のバランスや主役を真ん中に置
いたバランスには不自然さ や堅苦しさを感じさせるマイ
ナスもありますので、バランスも単純では ないようです。
フォーカルポイントを真ん中から左右にずらして配置し
た場合のバランスをがどのように取るか、その工夫の例
についても名画で説明されています。

なぜその色なのかー絵の具と色の秘密
「色の素になる物質を油で溶いたら油絵、膠で溶いたら日
本画、 卵で溶いたらテンペラ画、漆喰壁にぬればフレスコ
画、水彩画はアラビアゴム 。つまり色の素はみんな一緒で
なんで溶くかで呼び名が変化します。」 「色が抜けてしま
ったゴッホの絵は、実は補色を意識して描かれていた」
フェルメールの青は当時、金より高価な絵の具を使ってい
たことは有名 ですが、絵の具の開発の簡単な歴史と名画の
関係も分かります。

名画の裏に構造ありー構図と比例
ここでは、画面の上下問題や、左右問題、一枚の絵に違う
場面を描く異時同図法、 名画にかくされた十字線対角線
等分割のライン等分割以外のマスターパターン正方形、
直交、黄金比
)など、かなり高度な構図の技術について述
べられています。
一例だけピックアップしますと、画面の上下問題では、ム
ンクの叫びという絵の主人公が画面の下に描かれているの
は、主役の孤独や不安を 表現するためだと解説されています。

以上「絵を見る技術」について簡単に紹介しましたが、この
本にはこのブログには無い豊富な名画の数々と説明のための
図が沢山載っています。
絵に関心ある方に、ご一読をおすすめいたします。

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