「若返るクラゲ 老いないネズミ 老化する人間」

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この本は、Youtubeにアップロードされた武田鉄矢のラジオ番組
(ラジオタウン)で紹介されました。
武田鉄矢の語り口にもひかれて、読んでみました。

人の体の中で老化はどのようにして起きているのか、なぜ老化が
起きるのかという問題に正面から取り組んだ力作です。

必ずしも読みやすい本ではありませんが、誰しも避けられない老化
の問題について、いろいろ興味深い事実も沢山書かれていますので
出来るだけこのブログで、紹介してみたいと思います。

著者は理論生物学者のJosh Mitteldorfと生物学者で環境保護哲学者
のDorian Saganです。


車はガタがくるが、人の体にガタはこない

私たちは、日常よく「歳だから体のあちこちにガタが来てます」と言
ったりしていますが、著者は「機械と同じように、体にもガタがくる
ーだんだん錆びてきて、傷やへこみが増えてくる」という考え方は
間違っていると言います。

なぜなら、人間の体は自己修復力を持っているが、機械にはそうした
力はありません。

このように、人間の体は機械のような無生物と根本的に違いがある
のですが、歳と共に人間も身体の機能が徐々に衰えていくのも事実
なので、一見すると機械のように経年劣化していくようにも見えます。

ということは、人間が持っている自己修復力は生涯一定の力が保持
されるのではなく、歳と共にその力が弱まってくることが老化の原因
ではないか。

それでは、人間の自己修復力が弱くなるのなぜなのか。

著者は20 世紀半ばに提唱された2つの老化理論(どちらも間違った
理論ですが)を紹介しています。

オーゲルの仮説

「人の細胞が自己複製される時、時々複製エラーが生じ、そのエラー
が加齢と共に蓄積される」というのが、アメリカの物理学者レオ・シ
ラードの説です。(オーゲルの名前が付されている学説ですが、実際
はシラードが考えた説)

この仮説は、1978年に幹細胞が発見されたことによって、間違いで
あることがわかりました。

どいうことかと言うと

新しい筋肉細胞は古い筋肉細胞から生まれるのではない、新しい皮膚
細胞は古い皮膚細胞から生まれるのでもない、筋肉細胞も皮膚細胞も
幹細胞から生まれる、体は幹細胞を初期状態のオリジナルとしてキープ
するためエラーは蓄積されないのです。

なお、生物学上の複製は驚くほど正確で、複製エラーは100億ユニット
に一つしかない。

フリーラジカル説

フリーラジカルとは、活性酸素のことです。体内で過剰に作られた
活性酸素は有害な過酸化脂質を作り体にダメージを与えます。この
ダメージが蓄積して老化を促進すると言うのがデナム・ハーマンと
いう理論科学者の説です。彼は、抗酸化物質は老化をを遅らせると
提唱しました。

このフリーラジカル説は熱狂的な抗酸化食品ブームを生み出しました。
しかし、数々の臨床試験で、抗酸化物質は効果がないことが明らかに
されました。そうした抗酸化剤は効果がないどころか、被験者の寿命
を縮めていることもわかりました。

そしてさらに、フリーラジカルは体にダメージを与えると同時に
代謝作用において細胞間情報物質として使われて、整体防御を過剰に
稼働させ、それが私たちの長生きにつながっていることがわかって
きました。

運動は膨大なフリーラジカルを発生させる。にもかかわらず、長生き
につながります。

フリーラジカルのように、悪い働きをすると同時に良い働きもする
というなんとも矛盾した仕組みが、体にあるということです。

以上が第1章のエッセンスですが、次回はこの本のタイトルにある
若返るクラゲや老いないネズミなど、生物の老化の様々を紹介します。








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